第5回愛媛大学キッズアカデミア子どもコンテストへご応募をいただき、ありがとうございました。
厳正な審査の結果、入賞作品が決定いたしましたのでここに発表いたします。
グランプリ
「入学の よくわからないけど うんと言う」 (早ちゃん・小学2年・男)
審査委員評:子供ならではの素直な気持ちが、ユニークな表現とともに丁寧に描かれており、多くの方に「なるほど」と思わせる魅力を持っています。入学式という特別な場面を、「よくわからないけれどうんと言う」と表現した感性には、思わず微笑ましさを覚えるとともに、独自の視点の面白さが光っています。形式としては575ではなく595となっていますが、リズムに違和感はなく、むしろ自然な語り口として生きています。また、「入学式」ではなく「あえて『入学の』とした工夫」によって、未知の世界への戸惑いや期待が豊かににじみ出ており、将来どのような句を詠むのかも楽しみになる作品です。大人でも共感できるような一瞬を切り取った、印象的な一句でした。
準グランプリ
「ジメジメの 心にポンと あじさい団」 (ゆりの・小学1年・女)
審査委員評:梅雨の季節に咲くあじさいを心の動きと結びつけて描いた、感受性の豊かさが光る一句です。沈んだ気持ちに寄り添いながら、道端のあじさいがまるで応援してくれるかのように「ポン」と元気をくれるという発想には、優しさとユーモアがあり、読む人の心も明るくしてくれます。「あじさい団」という独自の言葉づかいも印象的で、発想の自由さと創造力が感じられます。季節の情景と心情を結びつける繊細な感性を、これからも大切に育んでいってほしいと思わせる、魅力的な作品です。
こころの春賞
「二年生の きょうしつ二かい はるのかぜ」 (やたろう・小学2年・男)
審査委員評:学年が上がったことで感じる変化や成長への自覚が、とても丁寧に表現されていることが伝わってきます。一年生から二年生へと学年が変わることに伴い、教室の階が変わり、見える景色や感じる風も変わったように思える、その新鮮な気づきが印象的です。ただ場所が変わったというだけでなく、自分の立場や気持ちにも変化があったことが、やさしい言葉の中にしっかりと込められています。かわいい一年生を迎える立場になった誇らしさや、春の風を通して感じる「二年生の春」の実感が、自然な形で表れており、読む人の心にやさしく届く一句となっています。
きらめき感性賞
「大きなかぶ おじいさんやく 一年生」 (スライド・小学1年・男)
審査委員評:一年生ならではの視点とユーモアが光る、楽しい気づきに満ちた一句です。国語の教科書に出てくる「おおきなかぶ」を題材に、登場人物すべてを一年生が演じるという状況に目を向けた着眼点がとてもユニークで、自分を客観的に見つめる視点にもセンスが感じられます。年齢の設定がバラバラな役を、みんな同じ一年生が演じるというギャップの面白さや、「おじいさん役」をやることのかわいらしさに気づいたことは、まさに鋭い観察力のたまものです。